ウィザードリィ外伝〜五つの試練〜Five Ordeals
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第五回 宝箱データ編
宝箱といえば何を思い浮かべるかね、スケルトンくん。
ええーと、やはり宝物(アイテム)とお金。そして罠ですかね。
そうじゃな、中に何が入っているかのワクワク感と同時にそれを得るために罠をはずす緊張感じゃな。ゆえに、シナリオの作り手としてもおざなりにするわけにはいかぬな。
モンスターデータでも説明したが、宝箱は大きく2つに分かれておる。
まずは、ルームエンカウント(部屋に設定されたモンスターとのエンカウント)での戦闘に勝利したときに出現する宝箱じゃな。これは、アイテム、お金が設定でき、罠を仕掛けることができる。
もうひとつが、ランダムエンカウントでの戦闘に勝利したときにもらえるお金じゃな。実際には宝箱は出現していないが、このお金は宝箱のデータとして設定するのじゃ。

今回のシナリオでは、迷宮のフロア数は3層でモンスターが30体程度を考えておるので、そうじゃな・・・
  • ランダムエンカウント用に2つの宝箱
  • ルームエンカウント用に2つの宝箱
  • イベント用に1つの宝箱
とこのようにグループ分けしておくとしよう。
宝箱データの作成
宝箱の最大作成数は全部で100じゃ。
00−39 お金用
40−80 アイテム用
81−99 イベントアイテム用
いつものように、種類によってこのように適当に分けておくと良いじゃろう。
エディターを起動して、データ各種>宝箱の設定を開いてください。
[宝箱のアイテム1〜3]のタブがあると思います。これは先生?
うむ。宝箱を開けたときに、最大で3つまでのアイテムが入手できるということじゃ。ひとつしか、入手できんというのであれば1〜3のどれかのタブを設定すれば良い。
お金の設定
先にお金の設定方法を説明するの。
[宝箱のアイテム2]のタブを開くのじゃ。
[ゴールドの設定[部分じゃな。
これは、別に[宝箱のアイテム2]のアイテムが出現した時に設定されるものではなく1〜3共通であり、宝箱番号に依存するパラメータじゃな。
まずは、いつもの計算式じゃ。これで、乱数の幅を決定するのじゃな。
それにベース値となる値×10を足し、最後にボーナスを掛けることとなる。
例えば、6人パーティで1人あたり5〜10のお金をもらえるとするならば、

1. 1D4+2
2. 1
3. 0

とすれば、(1×D4+2)×(1×10)×(0+1)となり、30〜60のお金が戦闘後に入るというわけじゃ。
注意点じゃが、ルームエンカウントで勝利し宝箱を開けられた場合は、もらえるお金は2倍になるのじゃ。

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アイテムの設定
[宝箱のアイテム1]を開くのじゃ。
まず、[宝箱番号]の設定じゃな。アイテムやモンスターと違い、固有名詞が無くすべて番号のみで管理しなくてはならんから、少々やっかいかもしれんぞ。
[アイテムの出る確率]設定じゃが、「0」のままでは、アイテムは出んぞ。必ず、数値を設定するのじゃ。
[箱1][箱2][箱3]とわかれておると思うが、それぞれに[宝箱番号]で設定をした番号の宝箱から、この中で指定した1つのアイテムが出現するわけじゃな。
例えば、スケルトンくんのモンスターデータに宝箱番号1を持っていると設定されているとしよう。スケルトンくんが、ボコボコにやられて倒された後、まず[アイテムの出る確率]で、この宝箱1が出現するかを計算するのじゃ。出るとなった場合、箱1〜3で指定したアイテムのいずれかが出現するというわけじゃな。

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ボコボコ・・・
別に「ギッタンギッタン」でもよいがな。
まぁ、それはともかく箱1〜3の中身をアイテム番号もしくはプルダウンメニューから選ぶわけじゃ。
後は[宝箱のアイテム1]タブで罠の設定じゃな。この宝箱に仕掛けられている罠にチェックを入れるのじゃ。複数でもかまわんぞ。これも当然[宝箱のアイテム1]に依存してるものではなく、宝箱番号に依存してるパラメータじゃ。
[宝箱のアイテム2]タブで先ほど説明したお金のデータも入力すれば、一通りの設定は終了じゃ。
[アイテム出現チェック]タブを開いてみよ。ここで、1000回戦闘が終了したときのシミュレーション結果を見ることができる。自分が、想像したとおりの結果になっているか確認して調整するとよい。
最後にスペシャルアイテムじゃな。
[宝箱の魔法セット]が0〜9までセットできるようになっておる。これ詳細は別の機会に説明するが、それぞれのセットにスペシャルなアイテムを設定することで、非常に低確率でスペシャルアイテムを入手させることができる。
これは、モンスターに設定されるものではなく、フロアに設定されるものとなる。詳細は後日、語ることとしよう。
先生、イベントアイテムなんかはどう設定するんですか?
そうじゃな。例えばイベントのモンスターがいてそいつを倒すと入手できるアイテムがあるとしよう。その場合は、宝箱のデータは、[アイテムの出る確率]を「100」に設定し、[箱1]の部分に入手すべきイベントアイテムを設定すればいいんじゃな。2つ3つとアイテムを渡したいのであれば、[宝箱のアイテム2]と[宝箱のアイテム3]にも設定すればよい。
宝箱の設定が終わったら、[データ各種]>[モンスターデータ入力]>[詳細データ2]タブの中の[部屋宝箱番号](ルームエンカウント)と[ランダム宝箱]のパラメータに宝箱番号を指定するのじゃぞ。
うーん、なんとなく理解はできたんですけど、いまひとつスッキリしないなぁ。
かーーーっ、生意気いいおって。何がどうすっきりせんのじゃ?
んー。たとえばですね。「ロングソード」と「ショートソード」と「刀」があって、そのうち「刀」をちょっと入手しにくいアイテムに設定したいとしますよね。それぞれを、[宝箱のアイテム1]タブの箱1〜3に設定して、[アイテムの出る確率]を100%に設定して、[アイテム出現チェック]タブで確認すると、だいたい

ロングソード        80%
ショートソード      20%
刀                  2%

という感じなんですよ。刀をもっと1%未満とか低く設定したいなーとか思った場合はどうすればいいんですか?
そうじゃな。正確にいえばできん・・・が、近いことはできるぞ。
たとえばじゃな、[宝箱のアイテム1]タブで、箱1に「ロングソード」、箱2に「ショートソード」を入れるじゃろ。そして、[アイテムの出る確率]は100に設定しておくのじゃ。
次に[宝箱のアイテム2]タブで箱3に「刀」設定し、[アイテムの出る確率]を「7」ぐらいに設定してみると良い。こうすることで、この宝箱を開けたときは、「ロングソード」か「ショートソード」はかなりの高確率で入手でき、2%程度の確率で「刀」を同時入手することができるわけじゃな。
あ、なるほど。同時入手になってしまうけれども、[アイテムの出る確率]をいじることで、かなり低いアイテムも設定できるわけですね。
そうじゃな。
おお、今回のシナリオの具体的なパラメータについて説明を忘れておったな。
ランダムエンカウント用に2つのデータを設定するんじゃったな。
宝箱番号の0と1に設定をした。これは、ランダムエンカウント用であるからして、お金だけの設定じゃ。じゃから、[宝箱のアイテム2]タブの[ゴールドの設定]部分に
宝箱0:(1×D4+2)×(1×10)×(0+1)
にて、30〜60のお金が出るように設定した。
宝箱1:(1×D6+3)×(1×10)×(0+1)
にて、40〜90のお金が出るように設定した。
当然、宝箱の罠の設定はしておらん。

宝箱0のお金設定
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宝箱1のお金設定
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次に、ルームエンカウント用に2つ。宝箱40と41に設定をした
これは、それぞれ画像を見てくれたまえ。

宝箱40の設定

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宝箱41の設定

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イベント用宝箱は、宝箱81に設定をした。
確実に入手するために、[宝箱のアイテム1]タブの箱1〜3まですべてに「監獄の鍵」というアイテムを設定しておる。当然ながら[アイテムの出る確率]は100じゃな。罠の設定はしておらん。お金は(2×D3+5)×(2×10)×(0+1)で、140〜220のお金が出るように出現してある。

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最後にスペシャルアイテムじゃな。
これには、[宝箱の魔法セット]0番に「ファイアーソード」を設定しておこう。


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おお、そうじゃ宝箱の設定だけじゃ意味が無いぞ。モンスターデータに、宝箱を反映せねばならん。モンスターデータの[詳細データ2]の中の中央下にの部分じゃな。この部分に、このモンスターが、ルームエンカウントで遭遇した場合とランダムエンカウントで遭遇した場合に出現する宝箱の番号を設定するわけじゃ。ランダムエンカウントの場合は、アイテム自体は出現せず、お金だけの入手となるので、0番か1番が入るわけじゃな。
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どうじゃな。宝箱は、モンスターやアイテムに比べてそれほど設定するところも少ないから簡単じゃろ。
ううーん、モンスターを倒せば特定のアイテムを入手できるというのは簡単ですが、肝心のモンスターをどこに配置するかによってパーティにとってのアイテムの価値が変わってきますよね。そうなると。マップデータにも関わってくるけど、マップデータも構造によっては単純に深い層に強い敵がいるとは限らないこともできるし・・・
確かに、そう簡単にはいかんじゃろう。じゃから、いきなり大規模なものを作っても途中で挫折してしまうぞ。まずは、単純に「深い層=難しい」という考えの下、フロア単位で出現モンスター、出現アイテムを設定するほうが良いじゃろう。
わかりました。まずは、今回のシナリオのように3層ぐらいからはじめるのがよさそうですね。
さて次回ですが、講座の予定が遅れまくってるので、お盆休みを却下しつつ、近々に第六回「シナリオ初期設定編」をお送りする予定です。
このままだと、講座が終わらないうちにエディターをリリースする事になりそうなんですけど・・・
ほっほっほっ、困ったもんじゃのぅ〜。どうするかの。リファレンスマニュアルなぞあっても、やはりわからんと思うしの。
わしとしても、夏休みの自由課題に迷宮を作りましたと学校に提出する事ができるぐらいの時期にはリリースしたいんじゃがのぅ。
ううーん、このままではユーザー殿には第六の試練を与えるような気がしますね。
かーーーっ、わしより面白いことを言うでないわっ!
宝箱データのCSVファイル
※すべて現時点のもので、リリース時には変更されることがあります
宝箱データを反映した、モンスターデータのCSVファイル
※すべて現時点のもので、リリース時には変更されることがあります
次回はシナリオ初期設定編の予定です。
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